夜の茶屋は、とても静かでした。
小雪と小春は、向かい合って座っています。
湯気の立つお茶が、二つ。
それだけの時間でした。
言葉は、ありません。
外の音も、ほとんど聞こえません。
ただ、湯のみを持つ音と、
小さく息をつく気配だけが、そこにありました。
小雪は、ゆっくりとお茶を飲みます。
小春も、同じようにひとくち。
何かを話さなくても、
そばにいるだけで、少しだけ落ち着くことがあります。
今日は、そんな夜なのかもしれません。
がんばった日も。
がんばれなかった日も。
言葉にしなくていい日があります。
お茶が少しずつ冷めていくように、
気持ちも、ゆっくりと落ち着いていきます。
小雪は、もう一度カップを持ちました。
小春は、静かにポットに手をかけます。
おかわりを入れる音が、やさしく響きました。
それだけで、十分な夜でした。


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