頑張りたいのに動けない日の話

よりそいノート

朝、目が覚めたとき。

やらなきゃいけないことが、
頭の中にいくつも浮かんでくるのに。

体が、動かない。

「……今日こそ、やろうと思ってたのに」

小雪は、布団の中で小さくつぶやきました。

昨日の夜は、ちゃんとやるつもりだった。
明日は頑張ろうって、思っていたのに。

いざ朝になると、
どうしても動けない。

「なんでこんなに動けないんだろう……」

その言葉には、少しだけ
自分を責める気持ちが混ざっていました。

「……小雪、大丈夫?」

小春が、静かに部屋をのぞきます。

「うん……でも、やらなきゃいけないのに、動けなくて」

小雪は起き上がることもできず、
天井を見つめたまま答えました。

「そっか」

小春は、無理に起こそうとはせず、
そのまま隣に座ります。

少しだけ、間が流れました。

「ねえ小雪」

小春が、やさしく声をかけます。

「“動けない日”ってね、サボってるわけじゃないんだよ」

「……え?」

小雪は少しだけ顔を向けました。

「動けないときって、実はもう、結構頑張ったあとなんだよね」

「頑張った……あと?」

「うん。気づかないうちに、考えたり、我慢したり、気を遣ったり」

「見えないところで、エネルギーを使い切っちゃってることが多いの」

小雪は、少しだけ黙ります。

思い返してみると、
昨日も一日、いろんなことを考えていた気がしました。

うまくいかなかったこと。
人とのやりとり。
これからのこと。

「……でも、何もできてないよ」

小雪は、小さな声で言いました。

「うん。外から見たら、そう見えるかもしれないね」

小春は、ゆっくりうなずきます。

「でもね、“動けない日”って、止まってるんじゃなくて」

少しだけ言葉を選ぶようにして、続けました。

「“これ以上消耗しないように守ってる日”でもあるんだよ」

「……守ってる日」

その言葉を、小雪は静かに繰り返しました。

「体も心も、ちゃんと限界があるからね」

「無理に動こうとすると、もっと疲れちゃうこともある」

部屋の中に、やわらかい光が差し込みます。

「じゃあ……今日は、このままでもいいのかな」

少しだけ、不安そうに小雪が聞きました。

「うん。いいと思うよ」

小春は、すぐに答えました。

「でももし、“ほんの少しだけなら”動けそうだったら」

「本当に小さなことだけ、やってみてもいいかもね」

「小さなこと……」

「うん。たとえば、顔を洗うだけとか」

「カーテンを開けるだけでもいいし」

「なんなら、“今日は休むって決める”でもいい」

小雪は、少しだけ考えます。

全部やらなきゃ、と思っていたことが、
少しだけ軽くなった気がしました。

「……じゃあ」

少しだけ体を起こして、

「とりあえず、水だけ飲んでみようかな」

そう言いました。

「いいね」

小春は、やさしく笑います。

「それだけでも、ちゃんと前に進んでるよ」

小雪は、ゆっくりとコップに手を伸ばしました。

ほんの小さな動き。

でも、さっきまでとは少し違う朝でした。


頑張りたいのに、動けない日。

そんな日は、誰にでもあります。

それは、やる気がないからでも、
怠けているからでもありません。

ただ、少しだけ
エネルギーが足りていないだけかもしれません。

そんなときは、
全部やろうとしなくて大丈夫です。

ほんの少しだけ。

本当に小さな一歩だけでも、
それはちゃんと「前に進んでいる」ということだから。

動けない自分を、責めすぎなくて大丈夫です。

その時間も、きっと必要な時間です。


もしよければ、
あなたはこれまでに

「頑張りたいのに動けなかった日」

ありましたか?

どんな小さなことでも大丈夫です。

コメントで教えてもらえたら嬉しいです。

同じように感じている人は、
きっと一人ではありません。

今日が、少しだけ
やさしい一日になりますように。

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